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ハラスメントが起きやすい職場には共通点がある――厚生労働省の調査から考える5つの特徴

ハラスメントが起きやすい職場には共通点がある――厚生労働省の調査から考える5つの特徴

ハラスメント防止というと、管理職への注意喚起や、言動に関するルールの周知に目が向きがちです。

しかし、ハラスメントを防ぐためには、個人の言動だけでなく、日頃のコミュニケーションや組織風土、働き方にも目を向ける必要があります。

厚生労働省が2024年5月に公表した「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」では、パワーハラスメントを経験した人と経験していない人の勤務先の特徴を比較しています。
(※「ハラスメントが起きやすい職場の特徴」を直接比較した公的調査では令和5年が最新)

その結果から、職場づくりにおいて見直したい5つの特徴を紹介します。

1.上司と部下のコミュニケーションが少ない

調査では、パワハラ経験者の勤務先の特徴として「上司と部下のコミュニケーションが少ない/ない」が挙げられています。

日頃のコミュニケーションが不足すると、上司は部下の業務状況や困りごとを把握しにくくなります。
一方、部下も上司の指示の意図を理解できず、認識のずれが生じることがあります。

大切なのは、単に会話の回数を増やすことではありません。
仕事の進捗だけでなく、困っていることや意見の違いについても、安心して話せる関係をつくること が重要です。

2.残業が多く、休暇を取りづらい

「残業が多い/休暇を取りづらい」ことも、パワハラ経験者の勤務先に見られる特徴の一つです。

業務に追われ、時間的・心理的な余裕がなくなると、丁寧な説明や相手の話を聞く時間が後回しになりがちです。
例えば、普段なら落ち着いて確認できることも、忙しさから一方的な指示になってしまう場合がありますし、普段なら気にならないことにイライラする人が増える傾向にあります。

こうした状況を防ぐためには、個人の感情コントロールだけに頼らず、業務量や人員配置、仕事の進め方にも目を向ける必要があります。

3.失敗が許されない職場風土

「失敗が許されない/失敗への許容度が低い」ことも、調査で挙げられた特徴です。

仕事にはミスを防ぐための厳格な管理が必要な場面もありますが、問題は、ミスが起きた際に、原因や改善策よりも、誰が悪かったのかという責任追及に終始してしまうことです。

失敗を見過ごすのではなく、事実を確認し、原因を分析し、次の改善につなげる指導 が求められます。

4.冗談やからかいが日常化している

調査では、「従業員間に冗談、おどかし、からかいが日常的に見られる」ことも、パワハラ経験者と未経験者で回答に差がある職場の特徴として挙げられています。

親しみを込めたつもりの言葉でも、受け手にとっては負担になっている場合があります。
特に、立場の違いや周囲との関係性によっては、不快に感じても意思表示しにくいことがあります。

冗談を一律に禁止するということではありませんが、「このくらいは大丈夫」という自分の基準だけで判断せず、相手の反応や関係性にも目を向けることが大切です。

親しみを込めて呼んでいる「あだ名」も相手が傷ついているかもしれません。

5.人手不足や業績不振を抱えている

「人手が常に不足している」「業績が低下している/低調である」ことも、パワハラ経験者の勤務先に見られる特徴として挙げられています。

人手不足が続けば、一人ひとりの業務負担が増え、管理職も部下の育成やフォローに十分な時間を確保しにくくなります。
また、業績へのプレッシャーが強い環境では、結果を求めるあまり、指導の方法や伝え方への配慮が不足する可能性もあります。

目標達成に向けた厳しい要求と、人格を傷つけるような言動は別のものです。
成果を求めることと、相手を尊重することを両立できるマネジメントが求められます。

ハラスメント防止は、職場環境の見直しから

パワハラを経験した人の勤務先にこうした特徴が比較的多く見られることは、職場環境を点検するうえで重要な手がかりになります。

管理職の言動だけに注目するのではなく、次のような視点で職場を振り返ってみてはいかがでしょうか。

  • 部下が困りごとや意見を伝えやすい関係になっているか
  • 業務量や時間的な負担が一部の社員に偏っていないか
  • ミスが起きたとき、責任追及だけで終わっていないか
  • 職場で当たり前になっている言動に、見直すべきものはないか
  • 管理職が部下の育成や対話に時間を使える環境があるか

ハラスメント防止研修によって知識や判断基準を身につけることは大切です。

それと同時に、日常のコミュニケーション、業務の進め方、マネジメントのあり方を見直すこと が、ハラスメントを防ぐ職場づくりにつながります。

ハラスメント防止を、単なる禁止事項の周知で終わらせず、一人ひとりが安心して力を発揮できる組織づくりへとつなげていきたいものです。


出典・参考資料

厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」

2024年5月17日公表

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40277.html

調査報告書(PDF)

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001256085.pdf

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